AGAコラム
AGAの内服治療について
AGAとはAndrogeneticAlpeciaの略で男性ホルモン型脱毛症のことです。
成人男性特有の進行性の脱毛症であり、生え際や頭頂部の毛髪が薄くなることが特徴です。
主な原因として、男性ホルモンの影響や遺伝が考えられています。発症が早いと20代から症状が出現し、日本人男性の1/3がAGAだといわれております。症状は進行性であり、早期治療が大切です。
毛周期
通常毛の周期として下記のような経過をたどります。
「早期成長期→中期成長期→後期成長期→退行期→休止期→脱毛」様々な原因により乱れたヘアサイクルとなると成長期が短縮され、髪の毛が育たないうちに抜けてしまい薄毛・抜け毛が目立つようになります。
原因
- 遺伝的要因:家族内にAGAの方がいると発症リスクが高まります。
- 男性ホルモン:「テストステロン」が「5αリダクターゼ」という酵素により「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換されます。DHTが頭髪の毛母細胞に作用し毛髪の成長期を短縮させ、抜け毛が増えてしまいます。
- 生活習慣:ストレスや栄養不足・睡眠不足なども毛髪の成長を妨げる原因と考えられます。
症状
- 前頭部の生え際や頭頂部から薄くなってくるのが一般的です。
- 女性の場合は頭頂部が薄くなることが多いといわれております。
治療
- 一度死滅した毛母細胞が再生することは難しいため、症状が気になり始めた段階で早期に治療を開始することが望ましいです。
内服薬
男性ホルモン阻害薬
- フィナステリド:Ⅱ型5αリダクターゼの働きをブロックすることで、抜け毛・薄毛の原因を改善します。
- デュタステリド:Ⅰ型・Ⅱ型5αリダクターゼの働きをブロックすることで抜け毛・薄毛の原因を改善します。
ともに男性ホルモンの効果を阻害する作用を持ちますが、デュタステリドの方が2種類の酵素を阻害するためより高い効果が期待され、当院ではデュタステリドを採用しております。
効果を感じるまでは内服開始後半年程度経過してからとなります。内服により乱れた毛周期を整え、通常のサイクルへ戻った後、新しく毛髪が成長するのに時間を要するためです。
副作用
性機能障害(性欲減退、勃起不全、精液量減少など)、肝機能障害、全身倦怠感など性機能障害に関して、発症頻度は数%程度といわれております。肝臓で代謝されることから肝機能障害がある方の内服はできません。その他女性や子どもも使用することができません。
その他の治療法として以下のものがあります。
- 外用薬:発毛を促進する因子を直接頭皮に塗ることにより毛髪の成長を促します。
- 局所療法:発毛を促進する因子を頭皮に直接投与することにより毛髪の成長を促します。
- 幹細胞上清液点滴:多数の成長因子が含まれた点滴を投与し、成長因子が頭髪に作用することにより毛髪の成長を促します。
このように、AGAの治療方法は多岐にわたり、お一人お一人の症状の進行度や希望、体質に応じて最適な治療法を選択することが大切です。治療を希望する場合は、医師の診察を受けることが推奨されます。